2020 千葉県建築学生賞
歴史を追想する参道-久能山東照宮へ誘う博物館の提案-大隅崚(おおすみ りょう) 千葉大学・工学部・都市環境システム学科
2019年の文化財保護法改正により、地域総がかりで文化財の保存・活用に努めることが新たに定められた。しかし、実際に策定された市町村の地区計画は、本来の目的とかけ離れているのが現状である。本計画では、地域に根付く文化財保存活用のモデルケースとして、建築的な見地からの提案を行う。
舞台は静岡市、久能山東照宮。徳川家康を祀るこの場所で、老朽化した参道の代わりの動線として機能する博物館施設を提案する。地域住民は、長い歴史の中で失った交流基盤を取り戻す。参拝者は歩を進めるにつれて俯瞰的に歴史を学び、文化財を次代に伝えることへの理解を深める。
博物館と東照宮で得た学びや経験は地元への愛着に変わり、いつまでも住みたいと思える街になるだろう。